博多名物「おきゅうと」の話
突然ですが「おきゅうと」ご存知ですか?
かつて博多で日常的に食卓にのぼり、親しまれていた食べ物の名前です。
先日、スーパーの鮮魚コーナーで板こんにゃくのようなプルプルのおきゅうとを発見!
しかも、なんと
100円!!
いままでおきゅうとの存在を知ってはいましたが、スーパーで見かけたのははじめてです。
買いやすい価格もあり、思わずお買い上げ!
食べ方も知らなかったので、かまぼこのように1㎝幅くらいに切って酢味噌で食べてみました。
ぱくり。
もぐもぐ。
「これは、、、トコロテンだ!」
若干トコロテンよりは弾力が感じられますし、柔らかく口の中でほどけていくような食感は少しトコロテンとは異なっていましたが、味はトコロテンそのもの。夏向けのさっぱりとした味わいでしたよ。
お救人!?
いまはかつてほど食べられてはいない「おきゅうと」。
名前の由来は定かではありませんが「お救人」、「浮太」、「沖独活」などとも表記されるそうです。
これは江戸中期の享保の大飢饉の際に、人々の飢えをいやしたことから名づけられた、という説もあるそうです。真偽の程は分かりませんが、古くからある食べ物なのですね。
生まれも育ちも博多っ子の親類(80代)に聞きますと、かつては
「おきゅうと~、おきゅうと~♪」
と節を回しながら市中を売り歩く行商人がいたとのことで、よく買っては食べていたそうです。
いまは原料である海藻の「エゴノリ」が不漁や、食生活の変化とともに見かけなくなってしまいました。
スーパーで見かけたおきゅうとで、かつての食文化を少しだけ知ることができ、100円で得した気分です!
ちなみにおきゅうとは、トコロテンのように細長く刻んで、かつおぶし、しょうが、醤油などで食べていたそうです。
次はその食べ方でチャレンジしてみたいと思います。
5月も終盤に差し掛かって暑さがまし、おきゅうとのようなさっぱりした食べ物や冷たい飲み物が欲しくなる季節です。
喉がかわいたときには冷た~く冷やした「茂木びわ」がオススメです。
ジューシーな果物でうるおいを補給しつつ、夏に不足しがちなミネラルも一緒にとることができますよ!